キャンプでの料理を快適にするために欠かせないのが「ガスバーナー」です。しかし、初めて使う人にとっては「どのように使用すればいいの?」「安全面は大丈夫?注意すべき点は何?」といった不安を感じることもあるでしょう。
そこで今回は、初心者やファミリーキャンパー、BBQ愛好家向けに、ガスバーナーの基本的な使い方や種類の違い、安全な取り扱い方について詳しく解説します。
さらに、便利な活用術やメンテナンス方法も紹介するので、これを読めばキャンプでのガスバーナー使用が格段にスムーズになるはずです。ガスバーナーを正しく使い、安全にキャンプを楽しむための知識をしっかりと身につけましょう!
ガスバーナーとは?キャンプで使う理由と基本構造
はじめに、ガスバーナーの基礎知識について解説します。基本的な情報なので、「もう知ってるよ」という中級者以上の人は読み飛ばしていただいてもOKです!
ガスバーナーの基本構造と種類
ガスバーナーは、キャンプでの調理に欠かせないアイテムの一つです。主に、以下のような構造の特徴があります。
- ガス缶:燃料供給源となる部分で、主にOD缶とCB缶の2種類がある。
- バーナーヘッド:火が発生する部分で、火力調節機能が付いていることが多い。
- ゴトク(鍋を置く部分):鍋やフライパンを安定させる役割を持つ。
- 火力調節つまみ:火の大きさをコントロールできる。
- 点火装置:ライターやマッチを使わずに点火できるものもある。
また、ガスバーナーには「一体型バーナー」と「分離型バーナー」の2種類があります。
- 一体型バーナー:ガス缶とバーナーが一体化しており、軽量でコンパクトなため、持ち運びが容易。
- 分離型バーナー:バーナーとガス缶がホースで接続されており、安定性が高く、大きな鍋やフライパンも使用可能。
どちらを選ぶかは、使用シーンや調理スタイルによって異なります。

キャンプでガスバーナーを使うメリット
キャンプでガスバーナーを使用するメリットは以下の通りです。
- 手軽に火を起こせる
着火が簡単で、すぐに調理を開始できる。ライターやマッチを使わずとも、一部のモデルには自動点火装置が搭載されている。 - 安全性が高い
直火を使わずに調理できるため、直火に比べて火災リスクが低い。適切に使えば、安定した火力が得られる。 - 風の影響を受けにくい
一部のバーナーには風防機能があり、火が消えにくい設計になっている。キャンプ場や風の強い山頂などでも料理がスムーズに進められる。 - 環境にやさしい
直火禁止のキャンプ場でも利用可能で、地面を傷める心配がない。 - 料理の幅が広がる
煮る、焼く、炒めるなど、幅広い調理が可能。アウトドアでの食事のクオリティを向上させる。
これらの理由から、ガスバーナーはキャンプやアウトドア料理をより快適に楽しむための必需品となっています。キャンプや登山初心者からでも手軽に使えることが大きな魅力です。
キャンプ用ガスバーナーの選び方とガス缶の種類
ガスバーナーの燃料は「カセットボンベ」と呼ばれるものを使います。その特徴について解説します。
OD缶とCB缶の違いと選び方
ガスバーナーを使用する際には、適切なガス缶を選ぶことが重要です。主にOD缶(アウトドア缶)とCB缶(カセットボンベ缶)の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
- OD缶(アウトドア缶)
・アウトドア向けに設計されており、耐寒性が高い。
・コンパクトで軽量なため、登山や冬キャンプに適している。
・価格が高く、入手場所が限られる。 - CB缶(カセットボンベ缶)
・家庭用のカセットコンロと同じ規格で、手軽に入手可能。
・比較的安価で、コストパフォーマンスが良い。
・寒冷地では気化しにくく、火力が弱くなることがある。
選び方のポイント
キャンプの環境に応じて適切なガス缶を選びましょう。選び方のポイントは次の通りです。
- 冬キャンプや標高の高い場所ではOD缶を使用
- 春夏の通常キャンプや手軽なBBQにはCB缶が便利
使うシチュエーションに応じた適切なガス缶を選ぶことで、より快適に調理ができます。
ガスバーナーの選び方ポイント(火力・耐風性・安定性など)
ガスバーナーを選ぶ際にチェックすべきポイントをまとめました。
- 火力(kcal/h)
- 調理時間を短縮したいなら3,000kcal/h以上の高火力モデルがおすすめ。
- ゆっくり調理するなら2,000kcal/h程度の低火力モデルでも十分。
- 耐風性
- 風の影響を受けにくい設計のものを選ぶ。
- 風防付きのモデルや、バーナーヘッドが内側にある設計のものが便利。
- 安定性
- 分離型バーナーは大きな鍋を使うのに適している。
- 一体型は軽量で持ち運びに便利だが、大きい調理器具には不向き。
- 使用環境と収納性
- ソロキャンプならコンパクトなシングルバーナーがベスト。
- ファミリーやグループキャンプならツーバーナータイプも選択肢に。
- 追加機能
- 自動点火装置が付いていると、マッチやライターなしで点火できる。
- ゴトクのサイズも確認し、鍋やフライパンのサイズに合うかチェック。
適切なバーナーを選ぶことで、調理の快適さが格段に向上します。
【用途・人数別】初心者におすすめのガスバーナー
ガスバーナーを選ぶ際には、使用する人数や用途に応じて適切なモデルを選ぶことが重要です。アウトドア料理の幅が広がり、快適な食事を楽しめるからです。
初心者やファミリーキャンパー、BBQ愛好家の用途・利用人数別に「なぜ向いているか?」のポイントと、おすすめガスバーナーを紹介します。
ソロキャンパー向け(1人)
- 軽量コンパクトで持ち運びやすいモデルが最適。
- シンプルな操作性で、初心者でも扱いやすい。
おすすめモデル:イワタニ・プリムス「P-153 ウルトラバーナー」

ファミリー&少人数キャンパー向け(2〜4人)
- 火力が安定し、大きめの鍋やフライパンが使いやすいモデルを選ぶ。
- 耐風性があり、風の影響を受けにくい設計がベスト。
おすすめモデル:SOTO「レギュレーターストーブ ST-310」

大人数キャンパー・BBQ向け
- ツーバーナータイプやBBQグリルなど、同時に複数の調理が可能なものが便利。
- グループキャンプや本格的なBBQに対応できる火力のあるモデルを選ぶ。
おすすめモデル:コールマン「パワーハウスLPツーバーナーストーブII」

ガスバーナーの安全な使い方と火のつけ方・消し方
ガスバーナーを使う前の準備(設置場所の選び方)
ガスバーナーを安全に使用するためには、設置場所の選び方が重要です。適切な環境で使用することで、火災や事故のリスクを減らせます。
設置場所のポイント
- 平らで安定した場所を選ぶ
- 傾いた地面では、バーナーが転倒する危険がある。
- テーブルの上や平坦な地面で使用することが理想的。
- 風の影響を考慮する
- 風が強いと火が消えやすく、燃焼が不安定になる。
- 風防を活用するか、風が少ない場所で使用する。
- 可燃物の近くで使わない
- テントやタープの近くでは使用しない。
- バーナーの近くに燃えやすいもの(紙、布類)を置かない。
- 換気の良い場所で使用する
- 屋内や閉ざされた空間では一酸化炭素中毒の危険があるため、必ず屋外で使用する。

火のつけ方の手順(マッチ・ライター・自動点火)
ガスバーナーの火のつけ方には、主に自動点火装置を使う方法とマッチ・ライターを使う方法の2種類があります。
1. 自動点火装置を使う方法(ボタン式)
- ガス缶をしっかりと接続し、火力調節つまみを回す。
- 自動点火スイッチを押すと火が点く。
- 火がつかない場合は、ガス缶の残量を確認。
2. マッチ・ライターを使う方法
- 火をつける前にガスの出しすぎに注意。
- バーナーヘッドにライターまたはマッチを近づける。
- つまみを少し回し、ガスを出して点火する。
- 強風時は火がつきにくいため、風を防ぐ工夫をする。
注意点
- 火をつける前に周囲の安全を確認する。
- 一度に多量のガスを出すと危険なので慎重に調節する。
火の消し方と使用後の処理
ガスバーナーを安全に消火し、使用後に適切な処理を行うことが大切です。
1. 火を消す手順
- 火力調節つまみを完全に閉じる。
- ガスの供給が止まり、火が消えたことを確認する。
- 余熱でバーナーヘッドが熱くなっているため、冷めるまで触らない。
2. 使用後のガス缶の取り扱い
- ガス缶を取り外す前に完全に冷ましておく。
- 直射日光が当たる場所には放置しない(ガス膨張を起こして破裂する危険があるため)。
- 長期間使わない場合はガス缶を取り外して保管する。
3. 後片付けと収納
- バーナー本体を乾いた布で拭き、汚れを落とす。
- ケースに入れて保管し、湿気の多い場所を避ける。
- ゴトク部分に油汚れが残っていないかチェックし、清掃する。
これらのポイントを押さえることで、安全かつ長くガスバーナーを使用することができます。

ガスバーナーを使う際の注意点と安全対策
ガス漏れを防ぐチェックポイント
ガスバーナーを使用する際、ガス漏れのリスクを最小限にすることが重要です。以下のポイントを確認しておきましょう。
- 接続部の確認
- ガス缶をバーナーに取り付ける際、しっかりと固定されているか確認する。
- 斜めに装着するとガス漏れの原因になるので、まっすぐセットすることが大切。
- ガス漏れテスト(石鹸水チェック)
- ガス缶の接続部に石鹸水を塗り、泡が発生しないか確認する。
- 泡が出る場合はガスが漏れているため、使用を中止する。
- 使用前後のガス栓の管理
- 使用しないときはガス缶を外しておく。
- 長時間使用しないときは、バーナーとガス缶を別々に保管する。
ガス漏れは重大な事故につながるため、日常的にチェックを行いましょう。
風の強い場所での使い方と対策
風が強い場所でのガスバーナーの使用は、火が消えやすく、燃焼効率が低下します。安全に使用するための対策を紹介します。
- 風防を活用する
- 市販の折りたたみ式風防を使用することで、風の影響を軽減できる。
- 大きな鍋やフライパンで風を遮るのも有効。
- 風向きを考えて設置する
- 風上にバーナーを向けない。
- 周囲の地形を利用して、風の影響を最小限に抑える。
- 低い位置で使用する
- 風が直接当たらないように、地面に近い場所で使用する。
- ロースタイルのテーブルや、風除けがある場所を選ぶ。
風が強い環境での使用は火力の低下や安全リスクがあるため、事前に対策をしておきましょう。
事故を防ぐためのポイント(子ども・ペットの近くでの使用)
キャンプでは、子どもやペットがいる場合、ガスバーナーの使用には特に注意が必要です。
- バーナー周囲に立ち入り禁止ゾーンを作る
- 子どもが誤って触らないように、安全エリアを確保する。
- 目印を置くか、テーブルの端にバーナーを設置する。
- 調理中は目を離さない
- 火をつけたままバーナーを放置しない。
- 調理中に子どもやペットが近づかないように見守る。
- 使用後のバーナーはすぐに片付ける
- 余熱で火傷しないよう、バーナーが冷めるまで触らない。
- 子どもの手が届かない場所に収納する。
ガスバーナーは適切に使用すれば安全ですが、思いがけない行動をしがちな子どもやペットのために、事故を防ぐ配慮を忘れずに行いましょう。



キャンプでのガスバーナー活用術!便利な使い方のアイデア
調理以外にも使える!お湯を素早く沸かすコツ
ガスバーナーは料理だけでなく、お湯を素早く沸かすのにも便利です。以下のポイントを押さえれば、効率よくお湯を沸かすことができます。
- 適切なクッカーを使用する
- 底が広く熱伝導率の高いアルミ製クッカーを使うと、熱が均一に広がり早く沸騰する。
- ステンレス製は保温性が高いが、沸騰時間はアルミに比べて長くなる。
- フタをしっかり閉める
- フタをしないと熱が逃げ、沸騰までの時間が長くなる。
- 蒸気の抜け穴があるクッカーなら、吹きこぼれを防げる。
- 風の影響を最小限にする
- 風防を使用すると、熱が逃げずに効率的に沸騰できる。
- 風が強い場合は、風を遮る場所で使用する。
キャンプではお湯を沸かす機会が多いので、効率的な方法を知っておくと便利です。
ガスバーナーを使ったアウトドア料理のレシピ例
ガスバーナーを使えば、キャンプ料理の幅が広がります。簡単で美味しいアウトドア料理のレシピを紹介します。
- ワンポットパスタ(手軽に作れるパスタ料理)
- クッカーに水を入れ、バーナーで加熱しながらパスタを茹でる。
- 茹で汁を少し残し、オリーブオイルとお好みの具材(ベーコン、野菜など)を加えて炒める。
- ソースはレトルトを使って、炒めた具材を加えると手軽に豪華になって◎。
- キャンプカレー(定番アウトドア料理)
- 鍋で玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、肉を炒める。
- 水を加えて煮込み、最後にカレールウを加えて完成。
- バーナーの火力調整で煮込み具合をコントロールできる。
- ホットサンド(朝食や軽食にピッタリ)
- 食パンにチーズやハムを挟み、ホットサンドメーカーで両面を焼く。
- こんがり焼き色がついたら完成!
簡単な料理でも、ガスバーナーがあれば手軽にキャンプ料理を楽しめます。
初心者の場合、あまり凝ったことはしないで、簡単に作れたりレトルトにひと手間加えたりする料理がおすすめです。失敗リスクを避けられますし、自然の中での温かい食事は、簡単なレシピでも5割増しの美味しさになりますよ。

冬キャンプでの効果的な使い方(寒冷地対策)
寒冷地や冬キャンプでは、ガスバーナーの火力が弱くなりがちです。以下のポイントを押さえれば、冬でも快適に使用できます。
- 寒冷地対応のOD缶を使用する
- CB缶は低温では気化しにくく、火力が落ちることがある。
- プロパン混合のOD缶を使用すると、寒冷地でも安定した火力を確保できる。
- ガス缶を温める
- 冷えたガス缶は気化しにくいため、手で温めたり、防寒ケースに入れると効果的。
- ただし、直火で温めるのは危険なので絶対に避けること。
- 風の影響を避ける
- 風が強いとバーナーの火が不安定になるため、風防を設置するか、風の当たらない場所で使用する。
- 冬用の火力調整しやすいバーナーを選ぶと、より快適に調理できる。
寒冷地では燃焼効率が落ちやすいですが、適切な対策をすれば問題なく使用できます。
ガスバーナーのメンテナンスと長持ちさせるコツ
使用後の手入れと保管方法
ガスバーナーを長く安全に使用するためには、定期的な手入れと適切な保管が重要です。メンテナンスのコツを紹介します。
- 使用後の清掃
- バーナーが完全に冷めたことを確認してから、柔らかい布で汚れを拭き取る。
- 油汚れがひどい場合は、中性洗剤を使って拭き取る。
- バーナーヘッドのチェック
- 燃焼口にゴミやススが詰まっていないか確認する。
- 細いブラシやエアダスターで詰まりを除去する。
- ガス缶の取り外し
- 使用後は必ずガス缶を取り外し、ガスの漏れがないか確認する。
- 直射日光が当たらない、風通しの良い場所で保管する。
- 保管のポイント
- 湿気の少ない場所に保管し、サビの発生を防ぐ。
- 持ち運び用ケースがある場合は、ケースに入れて保管する。
適切な手入れを行えば、バーナーの寿命を延ばし、安全に使用できます。

バーナーの掃除方法とメンテナンスのポイント
バーナーの定期的なメンテナンスを行うことで、性能を維持し、故障を防ぐことができます。
- バーナーヘッドの清掃
- 使用後にススやゴミが詰まっていないかチェックする。
- エアダスターや針金を使って、目詰まりを解消する。
- 点火装置の確認
- 自動点火装置が作動しにくくなった場合は、点火部分を乾いた布で拭く。
- それでも着火しない場合は、新しいバーナーの購入を検討する。
- ゴトクの手入れ
- 鍋やフライパンの焦げ付きが付着していないか確認。
- 汚れがひどい場合は、金属ブラシを使って優しくこする。
- ガス漏れのチェック
- 使用前に接続部に石鹸水をつけて泡が出ないか確認する。
- ガス缶のバルブが正常に作動するかテストする。
定期的なメンテナンスを行うことで、ガスバーナーを安全に長期間使用できます。
長期間使わないときの注意点
長期間ガスバーナーを使用しない場合は、以下のポイントを守って保管しましょう。
- ガス缶は取り外す
- 長期間ガス缶を装着したままにすると、ガス漏れのリスクがある。
- ガス缶は別に保管し、缶のキャップをしっかり閉める。
- 湿気を避ける
- 湿気の多い場所に保管すると、サビや故障の原因になる。
- 乾燥剤を入れたケースに収納すると安心。
- 防錆処理をする
- 長期間放置する場合は、金属部分に薄く油を塗ることでサビを防ぐ。
- 使う前に油分を拭き取ってから使用する。
- 使用前の点検を忘れずに
- 長期間保管後に使用する際は、各部品の動作確認を行う。
- 特にゴトクや点火装置、ガスの接続部をチェックする。
正しい保管と管理をすることで、次回のキャンプでも安心して使用できます。
キャンプのガスバーナーの使い方をマスターしよう!
ガスバーナーはキャンプでの調理に欠かせない便利な道具です。適切な種類を選び、安全に使うことで快適なキャンプを楽しめます。
OD缶とCB缶の違いを理解し、環境に応じた使い方を実践しましょう。また、ガス漏れチェックや風対策を行い、安全に配慮することが重要です。さらに、定期的なメンテナンスを行うことで長く使用できます。
正しい知識を身につけ、キャンプ料理をもっと楽しく快適にしましょう!