山で疲れない人は歩き方が違う!初心者が知っておきたい3つのコツ

山で疲れない人は歩き方が違う!初心者が知っておきたい3つのコツ

「山に登り始めたら、すぐにバテてしまった……」という経験、ありませんか?

実は登山初心者がつまずく最大の原因のひとつが、ペース配分と歩き方なんです。体力があっても、歩き方を間違えると序盤で消耗してしまいます。

そこで今回は、初心者でも実践できる疲れにくい歩き方の基本と、山でのペース配分のコツをわかりやすくお伝えします。

登山初心者が「すぐバテる」理由はペース配分にある

登山を始めたばかりの方がよくやってしまうのが、「元気な序盤に飛ばしすぎてしまう」パターンです。

平地の感覚で歩いていると、登り坂での消耗が想定外に大きく、中盤以降で足が動かなくなってしまいます。山での体力管理は、平地とはまったく別のルールで考える必要があります。

はじめに、なぜ初心者が疲れやすいのかを掘り下げてみましょう。

山の登りは平地の3〜5倍消耗する

平地を歩くのと、山の登りを歩くのでは、体にかかる負荷がまったく違います。一般的に、急な登り坂では平地の3〜5倍のエネルギーを消費するといわれています。

それだけでなく、足元が不安定な岩場や根っこのある道では、バランスを保つために体幹や細かな筋肉も常に使われています。「なんかやたら疲れる」と感じるのは、当たり前のことなんです。

このことを知らずに平地と同じテンポで歩いてしまうと、序盤はよくても後半に一気にガス欠状態になります。特に日帰り登山では、下山中に足に力が入らなくなる「下りでの膝痛」や「足がつる」トラブルにもつながりやすいです。

登山のペース配分は「体力の温存」が最優先だと覚えておきましょう。

「序盤の元気」を信じてはいけない

登山口に着いたときって、なんだかテンションが上がって足取りも軽いですよね。でも、その「序盤の元気な感覚」は、登山においてはむしろ危険なサインかもしれません。

人間の体は、動き始めの30分〜1時間はアドレナリンや興奮状態で疲れを感じにくくなっています。その感覚のままペースを上げてしまうと、体が本当の疲労に気づいたときにはすでに手遅れ、なんてことも。

経験豊富な登山者が「最初はゆっくり歩く」を徹底しているのは、この序盤の錯覚を知っているからです。「もっと早く歩けるのに」と思っても、最初の1時間はあえてセーブするのが賢明です。

疲れにくい歩き方の3つの基本

歩き方そのものを変えるだけで、山での疲れ方はかなり違ってきます。脚の使い方・着地の仕方・呼吸のリズムを少し意識するだけで、同じ体力でも格段に楽に歩けるようになります。

特別な筋力は必要ありません。コツを知って実践するだけでOKです。

ここでは、初心者がすぐに試せる歩き方の基本を3つ紹介します。

その①:小さな歩幅でゆっくり踏み出す「ちょい歩き」

登山で疲れにくい歩き方の基本は、「歩幅を小さくする」ことです。

平地では大股で歩いた方が速く進める感覚がありますが、山では逆効果になりやすいです。大きな歩幅で登ろうとすると、足を高く上げる動作が増え、その分だけ太ももや腰への負担が一気に増えます。

おすすめは、自分の足の半分くらいの感覚でちょこちょこ進む「ちょい歩き」です。

一歩一歩を小さく、でも確実に踏み出すイメージで歩くと、体力の消耗が抑えられ長時間歩き続けられます。「遅く見えるけど結果的に速い」が登山歩きの真髄です。

その②:かかとから着地せず「フラット」に足を置く

舗装路を歩くときはかかとから着地するのが自然ですが、山道ではフラット(足の裏全体)を意識した着地が基本です。かかとだけで着地すると、特に下りで膝への衝撃が大きくなります。

また、ぬかるんだ道や根っこの多い場所ではすべりやすくもなります。

フラット着地を意識すると、自然と重心が安定し、一歩ごとのブレが少なくなります。最初は少し歩きにくく感じるかもしれませんが、慣れてくると「あ、これが楽なんだ」と実感できるはずです。

その③:呼吸を「吐く」ことから意識する

登山中に息が上がってしまうのはよくありますが、そのとき意識すべきは「吸う」よりも「吐く」ことです。しっかり息を吐き切ることで、自然と新鮮な空気が肺に入りやすくなります。

呼吸が浅くなっていると感じたら、まず大きく息を吐くところから始めてみましょう。

歩くリズムに呼吸を合わせるのも効果的です。たとえば、「2歩で吸って、2歩で吐く」という呼吸法を試してみてください。これを意識するだけで、心拍数が落ち着きやすくなり、ペースも安定してきます。

山でのペース配分の具体的な考え方

「ゆっくり歩く」とわかっていても、具体的にどのくらいのペースが正解なのかわからない、という方も多いはず。登山には「コースタイム」という目安の時間がありますが、初心者はそこからさらに余裕を持った計算が必要です。

ここでは、現場で使えるペース配分の考え方を具体的に紹介します。

コースタイムの1.2〜1.5倍が初心者の目安

登山地図やアプリに記載されている「コースタイム」は、平均的な体力を持つ一般登山者を基準にした目安です。体力に自信があっても、初心者のうちはこのタイムを1.2〜1.5倍した時間を想定して計画を立てましょう。

たとえばコースタイムが4時間の山なら、初心者は5〜6時間かかることを前提に行動計画を立てるのがおすすめです。

これは「遅い人向け」という意味ではなく、休憩や写真撮影・景色を楽しむ時間を含めた「余裕のある登山」を実現するための考え方です。

コースタイム初心者の目安時間備考
2時間2.5〜3時間日帰り短時間コース向き
4時間5〜6時間半日コースの標準
6時間7.5〜9時間余裕を持った計画が必須
8時間以上上級コースにつき要判断初心者は避けるのが無難

「しゃべれる速さ」が正しいペースのサイン

ペースが適切かどうかを確認する簡単な方法があります。それが「一緒に歩く人と普通に会話できるかどうか」です。歩きながら短い文章がスムーズに話せる状態なら、心拍数もほどよい範囲に収まっていることが多いです。

反対に、息が上がって一言ふた言しか話せない状態は、ペースが速すぎるサインです。そのときは立ち止まらずとも、少し歩幅を小さくしてテンポを落としてみましょう。

ひとりで登る場合は「鼻歌が歌えるくらい」が目安になります。

休憩は「疲れてから」ではなく「定期的に」

「疲れを感じたら休憩しよう」と考えていると、気づいたときにはすでに足がパンパン……という状態になりがちです。登山では「疲れる前に休む」がペース管理の鉄則です。

具体的には、歩き始めから40〜50分を目安に5〜10分の休憩を挟むのが効果的です。

休憩中は水分補給と軽い補食(行動食)を忘れずに。糖分と塩分を少量ずつ補給することで、筋肉の疲労回復にもつながります。長時間休みすぎると体が冷えてしまうので、1回あたり10分程度を目安にしましょう。

登山前に知っておきたい準備のポイント

どんなに歩き方やペースに気をつけていても、準備が不十分だと山では太刀打ちできません。

特に初心者のうちは、装備・栄養・前日の状態まで含めてトータルで準備することが大切です。「備えあれば憂いなし」はそのまま登山に当てはまります。

靴と靴下の選択が歩き方を左右する

登山で疲れにくい歩き方を実践するためには、まず足元の装備を整えることが大前提です。

特にシューズは、ローカットのトレッキングシューズ(軽量タイプ)でも問題ありませんが、足首をしっかり支えてくれるミドルカット以上のものが初心者には安心です。

靴下も重要で、綿素材のものは汗を吸って乾かない上、摩擦でマメができやすいです。

ウールやポリエステルなどの速乾素材の登山用靴下を使うだけで、足への負担がかなり違います。靴と靴下のセットで考えると、快適さが一段上がりますよ。

行動食と水分補給の計画を立てる

登山中の体力維持には、こまめなエネルギー補給が欠かせません。休憩のたびに「行動食」と呼ばれる軽食をちょこちょこ食べる習慣をつけましょう。

おすすめの行動食は以下のようなものです。

  • ナッツ類(脂質・タンパク質でエネルギー持続)
  • 羊羹・ゼリー飲料(素早くエネルギーを補給できる)
  • クラッカー・シリアルバー(塩分も一緒に補給)
  • 飴やチョコレート(手軽に糖分補給)

水分は、登山前・登山中・下山後をセットで管理します。1日の行動で最低1.5〜2リットルを目安に準備しておきましょう。

暑い季節や急登の多いコースでは、それ以上必要になることもあります。

初心者にありがちな失敗パターンとその対処法

実際に登山を始めてみると「こんなはずじゃなかった」という場面に出くわすことがあります。

よくある失敗パターンとその対処法を知っておくだけで、同じ轍を踏まずに済みます。経験者も最初は同じ失敗をしているので、焦らず読んでみてください。

下りで膝が痛くなるのはなぜ?

登山後半の下りで膝が痛くなる「下山膝」は、初心者が最もよく経験するトラブルのひとつです。

原因は、下りで体重の数倍もの衝撃が膝に集中することです。特に段差を大股で降りると、衝撃がダイレクトに膝に伝わります。

対処法としては、下りでも歩幅を小さくして、膝を少し曲げた状態でゆっくり着地することが基本です。

トレッキングポール(ストック)を使うことで、膝への負担を大幅に分散できます。ポールを持っていない場合は、足の外側やつま先寄りに重心をかけながら降りると、膝への衝撃が和らぎます。

グループ登山でペースが崩れるとき

複数人で登る場合、全員のペースを合わせることが大切です。

最も歩くのが遅い人に全体のペースを合わせるのが基本ルールで、これを「最遅者基準」といいます。早い人が先に行ってしまうと、グループが離散してしまいトラブルにつながります。

グループ内でペース差が大きいと感じたら、以下の点を確認してみましょう。

  • 休憩のタイミングを全員で揃える
  • 先頭の人が定期的に後ろを振り返る
  • 経験者が最後尾で全体を見守る「しんがり」を担当する
  • コースタイムの前後で集合ポイントを決めておく

このルールを最初に共有しておくだけで、グループ登山はぐっと安全で楽しくなります。

山で疲れないために…歩き方でよくある質問

登山用のストックは初心者でも使った方がいいですか?
積極的に使うことをおすすめします。特に下りでは膝への負担を30〜40%軽減できるといわれていて、長時間歩く際の安定感も増します。

最初は「なくてもいいかな」と思いがちですが、使ってみると手放せなくなる方が多いです。折りたたみ式のものなら携帯にも便利ですよ。
登山中にどんな靴下を履けばいいですか?
メリノウールやポリエステル素材の登山専用ソックスがおすすめです。厚みのあるものを選ぶと、クッション性が上がって靴擦れも防ぎやすくなります。

綿素材のソックスは汗で濡れると乾きにくく、マメや低体温の原因になることがあるので避けた方が安心です。
山でのトイレはどうしたらいいですか?
登山口や山頂付近にはトイレが整備されている場合が多いです。

コースによっては途中にトイレがない区間も長くなるため、登山前に必ずルートのトイレ情報を確認しておきましょう。携帯トイレを1〜2個バッグに入れておくと、いざというときの備えになります。
足がつったときはどうすればいいですか?
まずその場で安全な場所に座り、つっている筋肉をゆっくりと伸ばします。ふくらはぎがつった場合は、つま先をゆっくり手で引き寄せてストレッチするのが効果的です。

水分と塩分が不足するとつりやすくなるため、スポーツドリンクや塩飴で補給するとよいです。繰り返しつるようであれば、その日の行動を短縮することも検討しましょう。

今日の一歩から、山歩きを変えてみよう

歩き方とペース配分は、登山の装備と同じくらい大切な「見えない道具」です。歩幅を小さくし、フラットに着地し、呼吸を意識するだけで、同じ体力でも山での疲れ方は大きく変わります。

コースタイムに余裕を持たせ、疲れる前に休憩をとることも忘れずに。今日紹介したコツを次の登山でひとつずつ試しながら、自分に合った歩き方を見つけていきましょう。

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