登山を始めたいけれど、装備を一式そろえるのは意外とお金がかかる…。そんな悩みを抱える初心者にとって頼れる存在が、ワークマンです。最近では「安くて機能的」「登山にも使える」と注目を集めており、実際に山で着ている人も増えてきました。
そこで今回は、初心者でも失敗しにくいワークマン登山装備の選び方や、コーデ例、代用が難しいアイテムまで、やさしくわかりやすく解説します。
なぜ今「ワークマン」で登山装備を選ぶ人が増えているのか?
「登山にワークマンってアリなの?」と疑問に思う人は少なくありません。でも最近、山道でワークマンの装備を見かける機会がぐっと増えてきました。
アウトドア専用ブランドに比べると価格が圧倒的に手ごろで、それでいて性能もしっかりしている点が、初心者やライトユーザーの心をつかんでいます。
ここでは、ワークマンが登山装備として注目されている理由をわかりやすく紹介します。
登山初心者にとっての3つのメリット
ワークマンが選ばれる理由は、初心者目線で見ても明快です。特に次の3点は、これから登山を始める人にとって大きな魅力になります。
- 価格が安い
上下セットでも1万円前後に収まる商品が多く、ブランド品の半額以下で装備が揃います。 - 全国に店舗がある
登山用品店が近くにない人でも、近所のワークマンで気軽に装備を手に取れる安心感があります。 - 普段着にも使えるデザイン
アウトドア専用に見えすぎないので、街着としても兼用できるアイテムが多いのも魅力です。
コスパだけじゃない!機能面の進化も注目
「安かろう悪かろう」と思われがちだったワークマンですが、近年は機能面もかなり進化しています。たとえば、レインウェアの主力シリーズ「INAREM(イナレム)」では、耐水圧20,000mm・透湿25,000g/m²/24hという高スペックを実現。これはアウトドアブランドの中級モデルと同等レベルで、雨天の登山でも十分な性能を発揮します。
また、ストレッチ性や軽量性、撥水加工なども充実しており、初心者が最初の一歩を踏み出すには十分なクオリティ。価格以上の性能に驚く人も多いのです。

ワークマンで揃う!登山装備の基本セット一覧
「とりあえず何を揃えればいいの?」という登山初心者に向けて、ワークマンで入手できる基本装備をアイテム別に紹介します。
実際に山で使えるかどうかの観点から、機能性・使い勝手・価格のバランスに注目。すべてを一気にそろえなくても、少しずつ買い足していけるよう、優先順位の高い順で解説します。
アウター(レインウェア・ウィンドシェル)
登山装備のなかでも特に重要なのがアウター類です。ワークマンでは以下の2種類を要チェック。
- INAREMストレッチレインスーツ(上下セット)
耐水圧20,000mm・透湿25,000gと高スペックで、低山登山ならこれで十分。コンパクトに収納できるのも魅力。 - ウィンドシェル・軽量ジャケット類
防風性や撥水性を備えた商品が多く、春〜秋の風よけや小雨時に重宝します。ポケッタブル仕様の製品も多く、ザックに常備しておくのがおすすめです。
インナー・ベースレイヤー(速乾性と防寒性)
登山では汗冷え対策が重要。ワークマンのベースレイヤーは安価で機能的なものが多く、初心者にも導入しやすいです。
- ファーストレイヤー(例:ICE ARMOUR)
吸汗速乾性があり、春夏の低山には最適。長袖と半袖の両方を持っておくと便利です。 - ミドルレイヤー(例:フリースやボアジャケット)
朝晩の冷え込みや標高の高いエリアで活躍。軽量・薄手タイプなら重ね着しやすく、動きやすさも確保できます。

パンツ・タイツ(ストレッチ&防風がカギ)
登山用ボトムスは、動きやすさと防風・防水機能があると安心です。
- 4D防風ウォームパンツ/ストレッチパンツ
防風・撥水加工が施された商品が多く、ハードな登山でなければ十分な性能。ストレッチ性もあり、膝の曲げ伸ばしも快適です。 - 機能タイツ(コンプレッション系)
疲労軽減や筋肉サポート効果があり、ロングトレイルや起伏のある道でも活躍。パンツの下に仕込んで使うのがおすすめ。
帽子・グローブ・靴下(小物こそ重要)
装備のなかでも軽視されがちな小物類ですが、実は登山の快適さを大きく左右します。
- 帽子(キャップ/ハット)
UVカット機能や吸汗性のある素材を選びましょう。首元をカバーできるサンシェード付きも◎。 - グローブ
滑り止め付きのワークグローブでOK。保温性が必要な場合は防風・裏起毛タイプを。 - 靴下
クッション性と吸汗速乾性のある中厚手タイプがおすすめ。ウール混合だと防臭効果も期待できます。

登山用に選ぶべきワークマン製品のチェックポイント
ワークマン製品の中には、登山に向いているものとそうでないものがあります。街着や通勤用のウェアとは異なり、登山では気象条件や体温調節に対応できる性能が求められます。
ここでは、購入時に確認したいスペック表示や、見落としがちな選び方のポイントを初心者向けにやさしく解説します。
耐水圧・透湿性などスペックの読み方
登山で使うレインウェアやアウターを選ぶ際、チェックしておきたいのが「耐水圧」と「透湿性」という2つの数値です。
- 耐水圧(mm)
これはどれだけの雨に耐えられるかを表す指標。登山では最低でも10,000mm以上が安心ライン。ワークマンの「INAREM」シリーズでは20,000mmの高水準を実現しており、一般的な日帰り登山には十分です。 - 透湿性(g/m²/24h)
こちらは汗や蒸気をどれだけ外に逃がせるかの指標。10,000g以上で快適さを感じやすく、ワークマンでは25,000gを超える製品も存在します。
→ この2つのバランスが、登山時の快適さと安全性を左右します。


「街用」との違いはここに出る!登山に適した条件とは
同じように見える服でも、「街で使う」ものと「山で使う」ものには大きな違いがあります。登山では次のようなポイントが重要です。
- 軽量であること
長時間歩く登山では、数百グラムの差でも疲労に影響します。なるべく軽量なものを選びましょう。 - 速乾・通気性があること
登山では大量の汗をかくため、綿素材などの乾きにくい服は避けるのが鉄則です。ポリエステルやナイロンなど、化繊の機能性素材がベター。 - ストレッチ性があること
岩場や傾斜を登る場面では、体の動きを妨げない伸縮性が重要です。 - 静音性にも注目
意外と見落とされがちなのが「カサカサ音」。ワークマンの一部ウェアは素材の都合で音が大きいものもあるため、気になる方は店舗で確認しておくのが安心です。
ここは専用装備がおすすめ!ワークマンで代用しにくいアイテム
ワークマンの装備は優秀ですが、すべてをそこで揃えるのはおすすめできません。特に命に関わるような装備や、登山中の快適性・安全性を大きく左右するアイテムは、登山専用の製品を選ぶのが安心です。
ここでは、ワークマンでは代用しにくい装備をピックアップし、その理由とおすすめの選び方を紹介します。

登山靴・ザック・ライトは専用品を選ぶ理由
登山靴
登山靴は足元を守るだけでなく、ケガや転倒を防ぐ重要な装備です。ワークマンには防水ブーツやトレッキングシューズもありますが、足のホールド感やソールのグリップ性能、足場の悪い環境での耐久性を考えると、登山専用靴のほうが圧倒的に安心です。
ポイント:靴は足に合わないと命取り。試着&専門店での購入を推奨。
ザック(リュック)
登山用ザックは、荷重を腰に分散する「ウエストベルト」や、背面の通気構造、ポケット配置など、山行に特化した設計がなされています。ワークマンの一般的なバッグは軽登山には不向きなものも多いため、10〜30Lの登山用ザックを検討しましょう。
ポイント:日帰り登山なら20〜30Lが目安。背面パッド付きだと快適。
ヘッドライト・ライト類
急な天候変化や予定の遅れで、下山が夜になることも。手が自由になるヘッドライトは必須装備です。ワークマンでもLEDライトは売っていますが、雨天対応や明るさ(ルーメン数)の点で登山用製品に軍配が上がります。
ポイント:防水仕様(IPX4以上)+100ルーメン以上を目安に。

命を守る装備だけはケチらない
登山は自然相手のアクティビティ。いくら低山でも、突然の雨や転倒、道迷いなど、予想外の事態が起こることがあります。だからこそ、「最悪の状況でも命を守れるか?」という視点で装備を選ぶことが大切です。
ワークマンの製品はあくまで“登山用にも流用できる高機能な日常着”であって、“登山専用装備”ではないことを忘れずに。節約は大事ですが、必要な装備はしっかり投資して、安全・快適な登山を楽しみましょう。
登山初心者向け|ワークマン装備で揃えるといくら?モデルケースで解説
「実際、いくらで揃うの?」というのは多くの初心者が気になるポイント。
ここでは、日帰り登山を想定したモデルケースとして、ワークマンで全身コーディネートした場合の価格シミュレーションを紹介します。1万円台でどこまで揃えられるのか、実用性とのバランスを見ながらチェックしてみましょう。
実際に購入した場合の総額シミュレーション
以下は、春〜秋の低山日帰り登山を想定した「最低限の装備セット」の一例です。
カテゴリ | 商品例(製品名) | 特徴・用途 | 価格(税込・参考) |
---|---|---|---|
アウター | INAREMストレッチレインスーツ | 耐水圧20,000mm/透湿25,000g/雨対策 | ¥4,900 |
アウター | エアロストレッチブルゾン | 軽量・撥水/ウィンドブレーカー用途 | ¥1,900 |
ベースレイヤー | ICE ARMOUR長袖シャツ | 吸汗速乾素材/夏登山におすすめ | ¥980 |
ミドルレイヤー | フリース(裏起毛) | 保温性/重ね着しやすい | ¥1,280 |
パンツ | 4D防風ウォームパンツ | 防風・ストレッチ・撥水 | ¥2,900 |
インナータイツ | コンプレッションタイツ | 疲労軽減・筋肉サポート | ¥1,500前後 |
帽子 | 吸汗速乾ハット | UV対策/サンシェード付きあり | ¥780 |
グローブ | ワークグローブ(滑り止め付き) | 転倒・岩場対策/防寒にも | ¥399 |
靴下 | メリノ混ハイキングソックス | 防臭・吸湿性/中厚手2足組 | ¥580 |
ザック・登山靴・ライト | ※専用品推奨 | ワークマンでは代用しにくい | – |
→ 予算1.3万円前後で、基本的な登山ウェア一式を揃えることができます!

1万円台でここまで揃う!でも注意点もチェック
この価格帯で機能的な装備が揃えられるのは、ワークマンならではの魅力です。特に、雨具や防風アイテムなどは、他ブランドであれば1点で1万円を超えることもあるため、初期投資を抑えたい初心者にとって大きなメリットとなります。
ただし、前章でも紹介したように、登山靴・ザック・ライトなどの“代用が難しい装備”は含まれていない点に注意が必要です。また、気温差や天候の変化に対応するためには、重ね着を前提としたレイヤリングが基本になります。余裕があれば、替えのベースレイヤーやネックウォーマー、レインウェアの収納袋なども用意しておきましょう。
はじめての登山でも安心!ワークマン装備の注意点と使いこなし術
価格と機能のバランスが魅力のワークマン装備ですが、登山で快適・安全に使うにはちょっとした工夫が必要です。特に初心者の場合、着こなし方や使用後のメンテナンスによって、装備のパフォーマンスが大きく変わることも。
ここでは、ワークマン製品を登山でしっかり活用するための使いこなし術を紹介します。
メンテナンスの工夫と買い替えタイミング
ワークマンの装備は機能性が高くても、やはり登山専用ブランドに比べると耐久性や素材のタフさで劣る面もあります。そこで重要になるのが、日頃のメンテナンスと買い替えの見極めです。
- レインウェアは定期的に撥水スプレーを
洗濯後や使用後は、専用の撥水スプレーを使うことで防水性能を長持ちさせることができます。 - ファスナーや縫い目に注意
安価な製品では、ジッパーの噛み合わせや縫製のほつれが出やすいことも。使用後にチェックし、異常があれば早めに買い替えましょう。 - 靴下やグローブは消耗品と割り切る
数回の使用で劣化することもあるので、複数枚をローテーションすると安心です。
組み合わせ方で「それっぽく」見えるコツ
ワークマン製品は街着としても人気があり、登山っぽく見せるためには組み合わせの工夫がポイントになります。
- レイヤリングで“登山スタイル”に近づける
アウター+インナー+ベースの3層構造で着ると、それだけでアウトドア感が出ます。 - 小物で“らしさ”を演出
帽子やネックゲイター、ゲイター(すねカバー)などのアクセサリー類を取り入れると、機能性だけでなく見た目の完成度もアップします。 - 派手すぎず、自然に溶け込むカラーを選ぶ
目立ちすぎる色使いは避け、カーキ・ネイビー・グレーなど落ち着いた色でまとめると“登山者っぽさ”が出て、現地でも浮きません。

知っておきたいQ&A|ワークマン装備でよくある疑問に答えます
登山初心者の中には、「ワークマンだけで登れるの?」「他のブランドと何が違うの?」といった疑問を持つ方も多いはず。
そこでここでは、実際によくある質問をQ&A形式でピックアップ。ワークマン装備を使う際に知っておきたい基本的な知識を、シンプルにわかりやすく解説します。
Q. ワークマンと有名登山ブランドって、何が違うの?
一番の違いは「登山専用に設計されているかどうか」です。登山ブランドは、過酷な環境下での使用を想定し、素材や縫製、耐久性にとことんこだわっています。対してワークマンは“日常使いにも対応した高機能ウェア”という立ち位置で、価格を抑えつつ一定のスペックを満たしています。登山に「使える製品」もありますが、すべてが登山向けではない点に注意が必要です。
Q. ワークマンの装備だけで山登りって本当にできるの?
結論から言うと、「低山の日帰り登山なら可能、縦走や厳冬期登山は避けたほうがいい」です。ワークマンの装備は確かに高性能ですが、想定されている使用シーンは日常や軽作業、アウトドア全般。高山や冬山など、気象条件が厳しく命に関わるリスクがある山行では、やはり登山専用の信頼性ある装備が必要です。まずは軽登山や里山から試し、必要に応じてステップアップしていくのがベストです。
Q. レインウェアを買うときに「耐水圧」が大事って聞くけど、どこに書いてあるの?
多くの場合、商品のタグやワークマン公式サイトの商品説明欄に記載されています。たとえば「耐水圧20,000mm」とあれば、強い雨にも耐えられる性能があるという目安になります。登山では最低でも10,000mm以上が望ましく、長時間の雨に耐えるなら20,000mmが安心です。記載がない場合は、店員さんに聞くのもおすすめです。
Q. 実店舗で登山用に装備を選ぶとき、スタッフに相談できる?
ワークマンの店舗スタッフは登山の専門家ではないため、基本的には商品知識にとどまります。ただし、用途や素材の特徴については丁寧に教えてくれる場合も多いので、「登山に使えるか?」を具体的に聞いてみるのがコツです。登山経験のある知人や、ネットのレビューと併せて判断するとより安心です。
アウトドア初心者こそ!ワークマンをうまく使って山デビューしよう
初めての登山では、「何を揃えればいいの?」「全部そろえると高そう…」と不安になる人も多いはず。そんな時こそ、手軽に高機能な装備をそろえられるワークマンは心強い味方になります。特に、日帰りや低山登山であれば、ワークマン製品の性能で十分に対応できるシーンも多く、初心者の山デビューにはぴったりです。
ただし、すべてのアイテムをワークマンで完結させるのはおすすめできません。登山靴やザック、ヘッドライトといった「命に関わる装備」は、信頼性の高い専用品を選ぶのが基本。コストを抑えながらも、安全と快適さをしっかり確保して、無理のない登山計画を立てましょう。
これから登山を始める方は、まずは近所のワークマンに足を運び、実際に手に取って装備をチェックしてみてください。きっと「これでいいかも!」と思えるアイテムに出会えるはずです。そして、必要な情報を集めながら、少しずつステップアップしていくことが、長く楽しめる登山ライフへの第一歩になります。