「ペダルってどうやって外すの?ネジの向きがわからない…」そんな不安を感じたことはありませんか?
クロスバイクのペダル交換は、コツさえつかめば意外と簡単。この記事では、正ネジ・逆ネジの向きから固着対策、グリスの塗り方まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します!
ペダル交換の前に知っておきたい基本構造と左右の違い
ペダルを交換する前に、必ず確認しておきたいのが「右ペダル」と「左ペダル」の違いです。
どちらも見た目はほとんど同じですが、ネジの向き(正ネジ/逆ネジ)が異なるため、正しく理解していないと、固くて回らなかったり、無理に回してネジ山を潰してしまうことも。
まずはその基本構造をチェックしておきましょう。
右ペダル・左ペダルの違いを理解しよう
クロスバイクのペダルには「右用(ドライブ側)」と「左用(非ドライブ側)」の2種類があります。それぞれのネジの向きが違うため、間違って取り付けると破損やケガの原因にもなりかねません。
- 右ペダル(チェーン側):正ネジ(右回しで締まる)
- 左ペダル(反対側):逆ネジ(左回しで締まる)
このように「締める方向が左右で逆」になっているのは、ペダルが回転する力で自然に緩んでしまうのを防ぐためです。
多くのペダルには軸部分に「R(右)」「L(左)」の刻印があるので、作業前に必ず確認しましょう。
正ネジ・逆ネジの回す向きと注意点
ネジの向きに迷ったら、次の覚え方が便利です。
- 外すとき
- 右ペダル:左回し(反時計回り)
- 左ペダル:右回し(時計回り)
- 締めるとき
- 右ペダル:右回し(時計回り)
- 左ペダル:左回し(反時計回り)
つまり、外すときは「前から後ろへ回す」方向が基本です(クランクアームの進行方向を基準にすると覚えやすいです)。
また、外すときに力を入れすぎてクランクを傷つけないよう、クランクをしっかり固定した上で、長めのレンチを使うのがポイント。次のセクションでは、必要な工具と準備について解説していきます。
ペダル交換に必要な工具と準備
ペダル交換は比較的シンプルな作業ですが、工具選びや作業環境を整えておくことで、失敗やトラブルを防げます。
ここでは、必要な工具の種類や代用品、作業前に確認しておきたいポイントを紹介します。
必要な工具一覧(ペダルレンチ・六角レンチなど)
ペダル交換に使う代表的な工具は以下の通りです。ペダルの形状やメーカーによって使用する工具が異なるので、事前に確認しましょう。
| 工具名 | 用途 | 補足 |
|---|---|---|
| ペダルレンチ(15mm) | ペダル軸の六角ナットを回す | スリムで長めの専用品がベスト |
| 六角レンチ(6mmまたは8mm) | クランクの内側からペダルを回すタイプに使用 | 一部モデルで対応可能 |
| グリス | ネジ部に塗布して固着を防止 | 自転車用の耐水グリスが◎ |
| 軍手 or 作業手袋 | 手を保護し、滑り止めにも | 滑りやすいグリス対策に有効 |
多くのフラットペダルはペダルレンチ、ビンディングタイプは六角レンチで対応することが多いです。
作業前のチェックポイントと安全対策
交換作業の前には、以下の点を確認しましょう。
- 自転車は安定した場所に立てる(メンテナンススタンドがあれば理想)
- クランクの向きを水平または垂直に固定する
- ペダルの軸に「R」「L」の刻印があるかを確認する
- 工具のサイズが合っているかチェックする
- グリスや潤滑剤を準備しておく
特に力が必要な作業になるため、自転車がグラつくと危険です。スタンドや壁に立てかける場合でも、作業中に倒れないように十分注意してください。
ペダルの外し方・取り付け方【ステップで解説】
それでは実際に、ペダルを交換する手順を紹介します。作業には少し力が必要な場面もあるので、焦らず慎重に進めましょう。
ここでは、外し方→固着対策→取り付け方の順に詳しく解説します。
外すときの向きとコツ
まずは古いペダルの取り外しから。左右でネジの向きが違うため、必ず次の手順を守ってください。
【右ペダル(チェーン側)】
- クランクを地面と水平に保つ
- ペダルレンチをペダル軸に差し込み、「反時計回り(左回し)」で緩める
【左ペダル(反対側)】
- 同じくクランクを水平に
- 「時計回り(右回し)」で緩める(※逆ネジ)
- 回す方向は「前から後ろへ」が基本(ペダルを後ろに回す感覚)
- ペダルレンチはなるべく長いものを使い、てこの原理で少ない力でも回しやすく
- 固くてびくともしない場合は、次の「固着して外れないとき」を参考にしてください
固着して外れないときの対処法
長年使っていたペダルやグリスが塗られていなかったものは、ネジが固着して簡単には外れないことがあります。そんなときは、次のように対処しましょう。
固着対策のステップ
- ペダル軸とクランクの接合部に潤滑スプレー(例:クレ556など)を吹きつける
- 5〜10分ほど待って、内部に浸透させる
- 再度レンチで回す。叩いて衝撃を与えると緩む場合も
- どうしても無理な場合は自転車店へ相談を(ネジ山潰れ防止のため)
ペダルは金属と金属が直接接しているため、サビなどで固まりやすいです。最初に外れにくかった側は、再取り付け時にグリスをしっかり塗りましょう。
取り付け時の締め込みトルクと注意点
新しいペダルを取り付ける際も、ネジの向きに要注意です。間違って取り付けるとネジ山が破損し、クランクごと交換が必要になることも。
手順と注意点
- 右ペダルは「右回し」、左ペダルは「左回し」で締める
- 手でネジを軽く入れ、最後にレンチでしっかり固定
- グリスを必ず塗布(ネジ部全体に薄くまんべんなく)
- 強く締めすぎない(規定トルクは35〜40Nm前後が目安)
締めすぎはネジ山破損の原因に。止まるまで回したら、そこから1/4回転程度でOKです。
固着防止に欠かせない「グリスアップ」の基本
ペダル交換の仕上げとして忘れてはいけないのが「グリスアップ」です。ネジ部にグリスを塗っておくことで、将来的にペダルが外れにくくなる「固着」を防ぎ、整備性も保たれます。
ここではその理由と具体的な塗り方を紹介します。
なぜグリスを塗るのか
ペダルのネジ部は、金属同士が強く接する部分です。水分や泥、汗、雨などが原因でサビが発生しやすく、そのままにしておくと固着してしまいます。
グリスには以下のような役割があります。
- 防水・防錆:水分の侵入を防ぎ、サビの発生を抑える
- 潤滑:ネジの締め付け・取り外しがスムーズになる
- 金属の焼き付き防止:高トルクでの締め付けによる摩耗を軽減
一度固着すると工具では外れず、クランクやペダル自体を破損してしまうこともあります。特に初心者こそ、グリスアップは必須です。
塗る場所と適量の目安
グリスは、ペダルの「ネジ山」部分全体にまんべんなく塗るのが基本です。塗りすぎると周囲に飛び散るので、薄く伸ばすように塗布しましょう。
塗り方のポイント
- ペダルのネジ部を清掃しておく(汚れがあれば拭き取る)
- 指か綿棒などでグリスを少量とる
- ネジ山の全周に薄く塗り伸ばす(過剰に盛らない)
- 取り付け後、はみ出たグリスは軽く拭き取る
自転車専用グリス(耐水性の高いもの)がおすすめですが、応急的にはリチウム系グリスや防錆潤滑剤でも代用可能です。
用途別ペダルの選び方|フラット派・ビンディング派の違い
せっかくペダルを交換するなら、ライドスタイルに合ったペダルを選びたいですよね。
クロスバイク用のペダルは大きく分けて「フラットペダル」と「ビンディングペダル」の2種類。それぞれにメリット・デメリットがあるので、使用目的に合わせて選びましょう。
フラットペダルの特徴とおすすめ用途
フラットペダルはスニーカーなどの普通の靴で乗れるタイプ。街乗りや通勤・通学、軽いサイクリングにはこれで十分なことが多いです。
メリット
- 特別な靴が不要
- 気軽に乗り降りできる
- ペダルの種類が豊富(滑り止め付き、軽量タイプなど)
デメリット
- 強い踏み込み時に足がずれやすい
- ロングライドでは疲れやすいことも
クロスバイク初心者や、街乗りメインの人にはフラットペダルが無難です。金属製で薄型、ピン付きタイプだとグリップ力も高まります。
ビンディングペダルの特徴と注意点
ビンディングペダルは、専用シューズとクリートでペダルと足を固定するタイプです。ロードバイクで主流の方式ですが、クロスバイクでも導入する人が増えています。
メリット
- ペダリング効率が大幅に向上(引き足が使える)
- 長距離でも疲れにくい
- 足がズレる心配がない
デメリット
- 専用シューズが必要(費用と手間)
- 慣れるまで立ちゴケしやすい
- 咄嗟のときに足を出せないと危険
「通勤中に信号が多くて、着脱が面倒…」という人は、片面フラット・片面ビンディングの両用タイプもおすすめです。
次の整備にチャレンジ!クランク・BB交換もスムーズに
「ペダルの交換って意外とできたかも!」
そう感じたあなたは、次の整備にもきっとチャレンジできるはずです。
ペダルはクランクやBB(ボトムブラケット)とつながる重要なパーツ。交換に慣れてくると、「クランクをもっと軽くしたい」「BBの回転を滑らかにしたい」といったステップアップを目指したくなるかもしれません。
クランク交換やBBメンテナンスは、ペダル以上に工具や手順にコツが必要ですが、構造の理解が進むと難しくはありません。工具の選び方や注意点を丁寧に解説した関連記事もあわせてチェックしてみてください。
クロスバイクのメンテナンスを自分の手で行えるようになると、ライドの安心感も、バイクへの愛着もグッと深まります。ぜひこの機会に、一歩先のDIY整備にもトライしてみてください。
よくある質問
- ペダルが外れないときに潤滑スプレーは使ってもいいですか?
- はい、使って問題ありません。
ペダルが固着して外れない場合は、クレ5-56やラスペネなどの浸透性潤滑スプレーを、ペダル軸とクランクの隙間に吹きかけましょう。5〜10分ほど放置してから再度レンチで回すと、スムーズに外れることがあります。ただし、スプレーがクランク内部に入りすぎないよう注意してください。
- ペダルレンチがない場合、代用できる工具はありますか?
- 場合によっては**モンキーレンチやスパナ(15mm)**でも代用可能です。
ただし、ペダル周辺の隙間が狭いため、一般的な工具では入りづらかったり、トルクをかけにくく滑ってしまうことがあります。できれば専用の「薄型ペダルレンチ(柄が長め)」を使うのがベストです。固着している場合の力加減にも注意が必要です。
- ペダルの寿命はどれくらい?交換の目安は?
- ペダルの寿命は使用状況によりますが、3,000~5,000km走行をひとつの目安にしましょう。以下のような症状が出てきたら交換を検討してください。
回転がゴリゴリする、引っかかる
ベアリングから異音がする
軸がグラグラしている
表面のグリップが摩耗している
通勤・通学などで雨天走行が多い方は、消耗が早まる場合もあるため、半年〜1年ごとに点検するのがおすすめです。
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