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トレッキングで悩むことのひとつ、それが山登りの服装です。
「アウターは何がいいの?」
「夏はTシャツでいい?」
「冬のアンダーウェアは?」
「秋と春は厚め?薄め?」
僕も、初心者としていろいろ悩んで、いろいろ試してみました。
これが、本格的な登山であればアルパイン的な、山男的な、アレやソレを選べばいいんだろうけれど…。
何が正解なのか。いやたとえ正解があったとしても、暑がりの自分にピッタリかどうか。
自分の好きなデザインのものがあるかどうか。
悩みは尽きません。
でも、ある程度の経験則から結論が導き出されました。
それは…、
暑い時は脱げばいい。
寒い時は着ればいい。
ちょうどいい時はちょうどいいがいい。
なんか、当たり前のコト言ってるけど、大真面目。
気候や体温、運動量に応じて自由自在に使い分けることができるウェアをそろえることが、とっても重要なのですよ。
ぬくぬくと過ごしている都会生活の中で忘れてしまった、トレッキングでのウェア選びについて、極私的なまとめをご紹介したいと思います。
ウェアをレイヤリング(レイヤード)するという基本
レイヤリング(またはレイヤードと呼ぶ)という言葉は、ファッション用語としての意味と、山登り用の意味があるようです。
↓これ、ファッション用語。
レイヤリングは「積み重ねる」の意味。レイヤードとも言う。レイヤード・ルックやレイヤード・スタイルは、重ね着ファッションのことで、60年代後半ごろから流行した。
シャツの上にシャツを重ねて着たり、半袖の下に長袖のシャツを着たりし、中に着ている衣服との色の違いや組み合わせ、また透ける効果を狙ったもの。
引用元:FASHION PRESS「レイヤリング」
↓こちら、山登り用語。
ウェアの構成を「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の3グループに分けて重ね着し、天候や運動量に応じて着脱することで温度調節を行い、ウェアの性能を発揮させることをレイヤリングといいます。
引用元:mont-bell「レイヤリングシステム」
言葉の意味はおんなじですが、登山用語のほうが、より踏み込んだ具体的な内容になっていますね。
レイヤリング(レイヤード)とは?を簡単にまとめると…。
- ウェアを重ね着すること
- 重ね着は、ベース、ミドル、アウターの3層
- ウェアを着たり脱いだりして体温調節をする
なんだか大層な話になってますが、話は簡単。
トレッキングするときのウェアは1枚だけで済まそうとしないで、気温や湿度が変わっても快適に過ごせるように、ウェアの着脱をしましょう、ということです。
暑ければ脱ぐ、寒ければ着る。
それを3種類のウェアで実現すると効率的で快適なのです。
夏場のトレッキングのレイヤリング(レイヤード)例
それではどんなレイヤリングに具体的になるのか。僕の場合を参考にご紹介します。
夏=暑い、汗をかく季節のレイヤリングは簡単です。
半袖Tシャツとレインウェアがあればコト足りるはずですが、突然の雨天や、山小屋泊などで朝晩の気温が低くて肌寒いシーンに備えて、長袖シャツか防風のソフトシェルを1枚持っておけばOK。
●夏場のレイヤリング例
- ベース:半袖のTシャツ
- ミドル:ほぼ着ない(長袖シャツ or コンパクトなウインドブレーカー)
- アウター:着ない(寒いときはレインウェアで代用)
冬場のトレッキングのレイヤリング(レイヤード)例
冬場のトレッキングは、一年中でもっともレイヤリングがフル回転する季節かもしれません。
都心で、地下鉄の中が汗をかくほど暑くて、地上へ出たとたん超寒い!ということがありますが、あれと似たような状況がトレッキングでもあります。
歩き始めは寒く感じて厚着が必須の気温でも、しばらく歩いてカラダを動かしていると、カラダがポカポカ。放っておくと真冬でも汗がダラダラ流れることも。
冬=寒い、風が冷たいという思考だけだと、ムダに汗をかいて体力を奪うことに。とはいえ寒すぎるのもよくないです。
そのため、こまめなレイヤリング(服装の着脱)がポイントになってきます。
●冬場のレイヤリング例
- ベース:半袖のTシャツ
- ミドル:フリースジャケット(放熱をファスナーで調節)
- アウター:防風のハードシェル(レインウェアで流用。放熱をファスナーで調節)
冬場でも、登っている時はけっこう暑くなるんですが、かといって半袖になると、風が冷たくてすぐに寒くなってしまうのがおち。暑いと思っていても急に登山道が開けて尾根に出て、冷たい突風が吹いてくることもあるので…。
だから冬場のレイヤリングは、重ね着はそのままの状態にして、ファスナーの開閉で体温調節するのが便利です。
暑くなったら、アウターのファスナーを開く。それでも暑い場合はミドルのファスナーを開く。という順番。
様子を見ながら、ガマンし過ぎて冬なのに汗がダラダラにならないように、逆に暑いからといって急激にカラダを冷やさないのが、大切なように思います。
小まめに熱気を逃すという意味では、脇にファスナーがあってベンチレーターが効くタイプのアウターもおすすめです。
基本のレイヤリングにプラスαしたいアイテム
寒さの度合いが変わりやすい冬場や、春秋のちょっと涼しい季節のレイヤリングには、プラスαのアイテムを用意しておくと便利。レイヤリングの幅が広がります。
そんなお役立ちアイテムが次のもの。
- ネックウォーマー
- コンパクトなダウンジャケット
- グローブ(レイヤリングで)
- キャップ(春夏秋)
- ニットキャップorウールの帽子(冬)
ネックウォーマーは、文字通り首元を暖めるもの。小さなものでも真冬に首元を暖めると断然、体感温度が違います。
厚着だと暑過ぎる春夏の涼しいときにも、着脱がすぐにできるのでとっても便利です。
ダウンジャケットは、休憩中にアウターを羽織っても寒い時のミドルレイヤーとして、また山小屋泊などの夜に大活躍します。コンパクトなアウトドア用がおすすめ。
街用として着ると暑過ぎちゃうのが、もったいないんですけどね。
それからグローブは、案外、忘れがちなレイヤリングアイテムのひとつ。
春夏秋は、薄手で乾きやすいものが1つあればOK。
夏場はその上に重ねられるような、防風・防水のグローブがあると、それで4シーズン対応できます。とくに冬場の雪や雨のときには、薄手のグローブでは手先が冷たくなり過ぎるように思います。
キャップは、雨や雪のときに視界を確保する役割のほか、冬場に頭部を暖めてくれます。
薄手のものでも、風が冷たい時などには十分、効果を実感できますよ。
4シーズン対応するためのレイヤリングウェアまとめ
春夏秋冬の4シーズンを対応できるウェアやアイテムを、レイヤリング(レイヤード)の観点からそろえるとすると。
これさえそろえれば、大丈夫な気がしますよ。
- 半袖のTシャツ
- フリース
- アウター(ハードシェル)
- ウインドブレーカー
- レインウェア
- コンパクトなダウンジャケット
- ネックウォーマー
- グローブ
- キャップ
あくまでも個人的な経験側ですが。
トレッキングの最適なレイヤリングは、夏場のウェア装備を基本にして、寒い季節に合わせて薄めのウェアやアイテムを1個ずつ足していくイメージかな、と思います。
「大は小を兼ねる」という感じで、冬場だからといって、厚いアウターを1枚だけみたいなことをすると、後悔することになるのでご注意を。